さて、前回の続きを。
8/10(金)
うつらうつらと眠りに付いたオレに、
「まっせ!痛い!」とのお声が。
飛び起きて時計を見る、時計の針は深夜1時過ぎ。
う…眠りについてたった1時間かよ…
とは微塵も思わないですよ、そりゃーもう。(笑)
どーやら、本格的な陣痛が始まったらしい。
痛がり方が今までとは違う。
嫁様は「これでまた出戻りになるのは嫌だ~もう少し様子見る~」と言うが、
我等素人、どー考えても少しでも気になったら診察に行くしかないのよね。
で、深夜2時に4度目の病院へ。
さすがに今回は内診の前に、
「本格的な陣痛ですね、いよいよ入院かな?」
とのこと、顔を見合わせほっとする妊娠素人夫婦。(笑)
「ま、まずは診察してみましょうか…」と、診察室へ。
で、赤さんの出口、子宮口を診てもらうと
「6cmくらいですかね、もう一息ですよ」と先生。
あと4cmだぁ~、頑張れ嫁様~!
ここでまず検査室みたいな部屋に通される。
陣痛の間隔とお腹の張りを測る機械で現状をチェック。
機械に出る数値が今までの前駆陣痛とは明らかに違う!(笑)
ん?あの痛がり方は嘘だったのか?
なんて疑いませんよ、これっぽっちも。
左から、赤さんの心拍数、陣痛間隔、お腹の張りっぷり値、である。
嫁様も前駆陣痛を振り返って
「あ~、あれも確かに痛かったけど、ほんもんは全然違ったわ」と申しておりました。
その後しばらく機械の数値を眺めながら出産のタイミングをうかがう。
陣痛は約2~3分周期で規則正しくやってくるのが理想的。
そーなるといよいよお母さんが頑張って出産、となるらしい。
しかし、この時まだ4~7分間隔で陣痛が来ている状態。
張りは充分なのだが、間隔が不規則で長いねぇーということで、
まだもう少しかかりそうだからと一度病室に行くことに。
朝6時過ぎに病室へ移動。
今回、嫁さんが
「誕生日プレゼントは個室がいー!」と言ってたので、
初産だし、その方が安心かなぁ?と個室入院をお願いする。
ちょっと高いけど、オレが出来ることはこれぐらいだもんね。
部屋は綺麗でとってもいい雰囲気、トイレはもちろんシャワーも付いてる。
(入院中、オレも何度も利用させていただきました…)
あ、今回お世話になった産婦人科は松戸にある
「富岡産婦人科」。
近所の評判もよく、綺麗だし信頼できる病院でしたね。
雰囲気もいいし、飯も美味いし、先生も親切だし、
なんたって受付のお姉さん
美人だし。(笑)
いやまじで凄いカワイイ人がいましたよ。
朝7時、朝ご飯が運ばれてくる。
美味しそうなアジの開きの定食、陣痛で食欲の無い嫁様の代わりにオレが頂く。
陣痛は相変わらず不規則ながらも続いているが、少し落ち着いた状態に。
このまま陣痛無くなったらどーしよーねー?とか笑う余裕もあるほど。
11時過ぎに先生がやって来て、
「このまま陣痛が弱いよーなら、陣痛促進剤の使用も考慮しましょう」
と言われたけど、
「点滴で」との言葉に嫁様の顔が曇る。
なんたってウチの嫁様、注射が大の苦手である。(笑)
しかし、前駆陣痛とは言え、既に50時間以上も痛みと戦ってる母体も心配。
いざ出産って時に体力が無くてはお話にならないしね。
とにかくこの時点では、もう少し様子を見させて下さいとお願いした。
そのまま昼を迎え、美味しいあんかけ固焼きそばもオレが食った。
嫁様はデザートだけで精一杯。
料理のレベルは下手な店よりも全然上、材料も豪華で味付けもグッ。
しかし、飯を食うと強烈な眠気が…
嫁様は陣痛と、オレは眠気と戦いながら、痛みが来る度に背中をさする。
1時過ぎ。
3時くらいまで様子を見て、それまで状況が変わらないようなら
促進剤の使用も考えよーかねーと話してた。
そしてその3時ちょっと前、「ううぅー!いたぁーーい!」と嫁様。
落ち着いていたのでちょっと余裕ぶっこいてたら、突然の激しい陣痛。
大丈夫かぁ?といつものように腰をさするオレ。
すると嫁様が「うぅー、なんか出たぁ…」と言うので、
オレが「え?頭?頭出たの?」と聞くが、「違うよぉ…」とのこと。
一度陣痛が引いて、また「いたぁーーい!」と嫁様。
オレもまた腰をさするが、「やっぱりなんか出たぁ」と嫁様。
そう、この時ついに破水。
二人もさすがに気付き、こりゃー破水だわよ、大変だわよとナースコールを押す。
間もなく看護婦さんがやって来て、
「たぶん破水ですね、調べてみましょう」とオレを追い出す。
10分後、「やはり破水ですから、陣痛が強まるはずです、いよいよですよ」
と言われ、再び検査室のような所へ移動。
先生の診察でも完全破水、子宮口の開きも充分と言うことで、準備が進む。
時間は3時半、どーやらここで産む事になるらしい。
この間、オレはただひたすら腰を撫でて、応援するだけー。
赤さんが下りて来るとケツにグーを当てて押してやると楽らしいのだが、
腰を撫でるのも休むわけにはいかない。
片手で腰を撫で、もう片手をケツに当てるという両手技を繰り出す。
意外にこの技は体力の消耗が激しい。
嫁様もオレも体力勝負となってくる。
少しでも休もうものなら「ちょっとちゃんとやってよ!」と檄が飛ぶし。
この時既に痛みを和らげようと冗談言っても怒られるほど嫁様は必死。
ま、頑張りましたよ、腕攣りそうになりながらもね…
でも、そのおかげで最初は立会いは嫌だと言っていた嫁様も、
ここまで付き添ってもらったんだからと居たかったら居ても良いよと。
つかね、離れられる感じじゃないのよね、心配で心配で。
午後4時頃、いよいよ本格的な分娩が始まる。
看護婦さんが「ウンチしたい感じ?」とか聞いて、嫁様が頷くと、
んじゃ次に陣痛が来たら一番苦しいトコで息を止めていきみましょう!
と看護婦さん。
ちなみにこの時、部屋には看護婦さんとオレ達の三人だけ。
あれ?先生は?みたいなー。
しかし嫁様はかまわず力を込める。
看護婦さんは
「そー上手ですよー顎引いて、もっと下の方に力入れてー」
とか言ってるし。
下?下ってどこー?みたいなー。
ま、冗談はさておき、徐々に室内の雰囲気がそれっぽくなってく。
髪の毛ありますよーと看護婦さん、赤さんの頭が見えたらしい。
この辺りで先生登場。
出てくるなり「切開しますから、麻酔打ちますね」とおもむろにオペ開始。
頭が出てくる際、出口が裂ける前に切った方が楽だし治りも良いんだそうで。
つかね、この辺りでまっせは涙が止まらんかったです。
嫁様が本気でいきんでる姿で感動しちまって、号泣。(TДT)
しかもね、嫁様が泣かすことを言うわけですよ。
「もう少しでまっせの赤ちゃん見せてあげるからね、頑張るから」みたいな。
なにその名台詞、どんだけぇーだよね。
嫁様の汗を拭くためのタオルが、オレの涙拭きになってましたわ。
そしてついに頭が半分出たらしく、「残りは吸引使いましょう」と先生。
なにやら怪しげな機械を取り出し、赤さんの頭に取り付けている様子。
んで、よいしょっと引っ張ると、出てきましたよ赤さんが。
なんかもうぐちょぐちょでグロテスクだけど、動いてます。
ちょっとへその緒が首に絡んでたけど、無事でよかった。
鼻やら口やらにチューブみたいのを突っ込んで、羊水を吐き出させます。
すると弱々しいながらも「ふぃぐわぁ~」と泣き出しました。
あーもーオレも泣きっぱなし。(TДT)
8月10日16時46分、2860gの男の子誕生です。
嫁様の体温で赤さんを暖めるそうで、上に乗せた状態で後処理が続きます。
先生が縫いますよ~とか言っても平気な顔だし、
なんかもう出産乗り越えた嫁様は母親のオーラを身にまとい、
一回りも二回りも大きくなったように見えました。
出産は、父親は完全にエキストラだね、主役は母親と子供。
看護婦さんや先生も登場するけど、エンドロールじゃ父親はそれ以下だ。
そーだなー、特等席の観客だなー、見せ付けられ感動するだけ。
ただただ母親と子供のドラマに涙するだけの傍観者…
「頑張れ!」と「ありがとう」って言うだけだったよ。
何も出来ない自分にもどかしさを覚えながらも、
子育てには主役で参加してやるぞ!って思ったのでした。
8/7の23時の陣痛開始から8/10の16時の出産までおよそ65時間。
本当に長かったけど忘れられない経験になりました。
ここには書き切れない色々な事がありました。
その間、メールやネットで応援してくれた皆さん、
また出産のお祝いの言葉をくれた皆さん、本当にありがとう。
産まれる前からそれだけたくさんの人間に心配され、応援され、
誕生を喜ばれたってことは、それだけでとても幸せなことだと思います。
それを忘れずに、元気に明るく育てちゃろと思ってます。
これからは子供中心の今までとは全然違う生活になると思うけど、
是非遊びに来てやって下さい、そらもー歓迎しますので。
では、今日はこの辺で。
産まれた後のことはそのうちまた書きますわ。
父親修行の幕が開く~!
あ、写真?
はいよ~、何枚か写りのいいやつね。(笑)
二日目の朝、気持ちよく寝てます。
足もこんなに小さくてしわしわ。
起きてる時は常に眉間にしわ。「なんじゃこりゃ!」って感じ。